葛城経塚二十八宿巡礼記 最終章

第28番亀の瀬 (第28番明神山)




紀淡海峡に浮かぶ 友が島は虎島の第一番序品窟
に始まった、葛城経塚28宿の巡礼もいよいよ、
ここ28番の亀の瀬で最終章を向かえます。





第28番亀の瀬 大阪府柏原市大字峠



亀の瀬は柏原市に属し明神山は王子町である。
古来第28番は金剛葛城山塊が北へ尽きる
大和川の川の中とされているが、その対岸の
明神山山頂という意見もあり、両方巡礼した。





亀の瀬巡礼    平成18年6月3日
明神山巡礼    平成18年6月27日

大和川亀の瀬付近



これが亀石



この路の奥の茂みの中に経塚が



参道



龍王社



この祠が経塚





第28番経塚 明神山(送迎峠) 奈良県北葛城郡王子町藤井


王子町の新興住宅街を抜けると参道が




約1.5キロの登りで山頂に
正面の水神社が経塚らしい



北側の眺め
右手禿げた部分が亀の瀬地区
大規模な地滑り対策工事中


古来大和の国から難波へ抜けるのに大和川の

ここら辺は険峻な上に地滑りが多く、危険地帯

だったそうである。そこで明神山を越えていく路が

発達し、聖徳太子もたびたび通られ、この山頂で

見送りお出迎えがおこなわれたそうである。

それゆえ この山頂ー峠を送迎峠とも言うらしい。

それを聞くと川中の岩よりもこの山頂が経塚に

ふさわしい気がする。


葛城経塚28宿は、第一番は紀淡海峡の友が島のうち虎島の序品窟で始まり、

ここ第二十八番亀の瀬もしくは明神山でおわる。大半の経塚は紀泉山脈や

金剛山系の峰々に設置されて、千年以上の間人々の信仰を集めた。

今でも経塚の保守をしている人にも出会った。

またこの峰々は1300年前に、役行者はもちろん、空海も歩き回った尾根道である。

この山中を約半年間歩く間に奈良時代の廃寺跡も数箇所あった。

御所市の石寺跡や高宮跡には奈良時代の瓦も散乱している。

また戦国時代の砦跡もあり、千早峠近くの神福山あたりには楠正成の砦跡もある。

このダイヤモンドトレイルに沿う尾根道はまさに歴史が埋もれた尾根であった。

明治政府による山岳修験道禁止令で一時下火になった修験道も

最近は大峰山を中心に復活されつつあるという。葛城28宿も犬鳴山の七宝滝寺

や金剛山の転法輪寺などを中心に復活しつつあるという。

(明治政府にとって、神である天皇陛下を国民に尊敬させるためには、
大自然の中にたくさんの神を崇拝する密教や
、土着の山岳修験道はとても邪魔な存在であった。)


それにしてもこの28宿巡礼は長く険しい旅路であったが歴史が埋もれた

自然豊かな楽しいハイキングロードでもあった。

しかし和泉葛城山のように森林伐採が激しく、ぶなの

原生林も風前の灯状態のところもあり、人間の身勝手さ、

森林行政のでたらめぶりにも心痛んだ山歩きでもあった。

   
※ダイヤモンドトレイルは通称ダイトレといい、大阪府、奈良県、和歌山県などが
     整備したハイキングコースで全長60キロ近くあり、たくさんの人が訪れています。



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ここから28宿の番外編
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また役の行者生誕の地
吉祥草寺へ行けます。


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